投資初心者向け決算書の読み方Part3「キャッシュフロー編」

みなさん、こんにちは!

前回の「投資初心者の私が必ずチェックする財務データポイント〜企業の健全性編〜」の記事に引き続き、今回は投資初心者向け「キャッシュフロー計算書」を読んでみようというお題で、実際の企業の決算書を例に取り上げながら記事を書いていこうと思います!

このような方におすすめの記事

・キャッシュフロー計算書の見るポイントを知りたい方

・決算短信や有価証券報告書を読めるようになりたい方

・日本株に投資したい方

キャッシュフロー計算書とは?

キャッシュフロー計算書とは貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)と一緒に「財務三表」と言われ、とってもとっても大事な資料なので、理解することはマストだと思っています!

じゃあ、キャッシュフローって何よ?ってことですが、一言でいうと現金の流れが書かれた資料のこと。

キャッシュフロー計算書:現金収支を表し、実際に企業からいくらお金が出ていき、そしていくら入ってきたかを示す指標。

これを確認すれば、企業の現時点での手元にある現金の額を把握することができます

前回の記事でも書いた通り、企業はどれだけ利益が出ていたとしても現金が無くなった瞬間、倒産します。

黒字倒産なんて言葉聞いたことある方多いと思いますが、これは企業の手元にキャッシュがなくなりお金が回らなくなってしまって倒産する典型的な例。(2008年に倒産したアーバンコーポレイションが黒字倒産のいい例です。)

なのでキャッシュフロー計算書でお金の流れを把握することはとっても大事。

また、もうひとつ大事な役割として不自然な損益計算書(P/L)の発見に役立つということ。

よく、損益計算書(P/L)はお化粧できてもキャッシュフロー計算書(C/F)はごまかせないと言われたりします。

損益計算書(P/L)には売上高・営業利益などが記載されていますが、粉飾決算などで不正会計をしている企業は大抵この損益計算書(P/L)をいじって誤魔化している場合が多いです。

最近の例で言うと、2011年オリンパスが過去の損失を最近のM&Aの失敗と計上し粉飾決算した時も2010年の東芝の利益水増しによる粉飾決算もP/L上をお化粧してごまかしていました。

こう言ったごまかしの発見につながるのがキャッシュフロー計算書です。

この「黒字倒産の例」と「粉飾決算の例」はここに書くと長くなるので、別の記事でいつか書いてみたいなと思います。

では、キャッシュフロー計算書の重要性を理解したところで、実際に決算短信決算説明資料有価証券報告書を使って読んでいきましょう。

今回も引き続きギフティ(4449)を例に使っていきます。

決算短信でキャッシュフロー計算書を読んでいこう

キャッシュフロー計算書の種類

キャッシュフロー計算書には大きく分けて3つあります。ふわっと理解できればオッケーです。

営業キャッシュフロー:本業によってキャッシュがどれくらい増えたか、もしくは減ったかを示す項目。
この項目の合計がプラスであれば本業が好調と読み、マイナスの場合は現金不足に陥ってると考えます。

 

投資キャッシュフロー:固定資産・株・債券などの取得や売却が発生したときの流れ、つまり使ったお金を表した項目。
営業活動のためには固定資産への投資が必要なので、優良企業や成長企業はマイナスになるケースが多いです。プラスの場合は、土地や建物、株式を売却してキャッシュを手にしているということが分かります。

 

財務キャッシュフロー:企業の資金がどのように調達・返済されているかをあらわす項目。借入金や社債の発行で資金調達を行うとプラスになり、株主への配当金支払いや借入金の返済を行った場合はマイナスとなります。

この3つにプラスして大事なもう一つの項目に「フリーキャッシュフロー」というものがあります。

フリーキャッシュフロー:企業が自由に使える現金のこと。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計額です。
フリーキャッシュフローが多い企業ほど自由に使える現金が多いということなので、良好な経営状態と考えられています。

逆にフリーキャッシュフローがマイナスであれば、資金が不足して維持するための資金調達が必要という状態なので注意が必要です。

決算短信からキャッシュローをチェック

では、説明はそこそこにして実際に決算短信からキャッシュフロー 計算書を読んでいきましょう。

目次のところに当期のキャッシュ・フローの概況連結キャッシュ・フロー計算書とあるのでその2点を確認します。

この当期のキャッシュ・フローの概況に赤のラインを引きましたが、前年よりも増加したことが書かれてますね。

それぞれのキャッシュフローの状況がひと言ずつ書かれるのでさらっと読んだ後、連結キャッシュ・フロー計算書で数字を見ていきましょう。

前年に比べて数字の乖離が大きいところをそれぞれ囲んでいます。

営業キャッシュフロー(緑の四角)

税金等調整前当期純利益は前年の約2倍弱あるにもかかわらず、最終的な営業キャッシュフローは前年の約1/5倍ほどになってしまっています。

順番に見ていきましょう。

株式交付費:上場の時に発生した費用ですかね。一時的なものであると思われます。

たな卸資産の増減額:前年度に比べてこのたな卸資産が約7倍に増加したことでキャッシュアウトが増えたことが分かりますね。提携企業の増加(決算説明資料のp7参照)がこのたな卸資産の増加に影響しているのかなと推測。

前渡金の増減額:前年度はゼロだったにもかかわらず、△215,319千円と増加。この前渡金の増加もギフティのビジネスモデルに起因するものかなと推測。

商品券を取り扱う会社でよく見られるようですが、商品を受け取る前に代金を先払いした場合「前渡金(前払い金)」という勘定科目を使って仕分けするようなので、ギフティもこれを採用しているのではないかなと考えられます。

未払い金の増減額:未払い金が減ったということは支払ったお金が増えたということ。

ギフティにおけるたな卸資産と前渡金のことがイメージしづらい場合は、ギフティのビジネスモデルについては「事業とサービスの概要」というタイトルで決算説明資料p39に説明があるのでそれを読むと理解しやすくなると思います。

投資キャッシュフロー(ピンクの四角)

こちらも前年度に比べて約3倍近い数字となっていますね。気になる数字を2つ拾ってみました。

無形固定資産の取得による支出:こちらは前年度に比べて約3倍強と増加。

無形固定資産とは何なのか調べると、連結貸借対照表に内訳があったのでチェック。

するとソフトウェア、ソフトウェア仮勘定という項目と示されていました。自社開発ソフトウェアのための設備投資として発生した項目であることが分かります

敷金及び保証金の差入による支出前年度に比べて1.7倍ほど膨れ上がってますね。

こちらは人員増加に対応するためのオフィス増床のためと有価証券報告書に記載がありました。

財務キャッシュフロー(黄色の四角)

株式の発行による収入:2019年9月の上場で株式市場から株を発行することで資金を調達したということです。

フリーキャッシュフロー

以上3つの点からなんとなくギフティという企業がどういうところでお金が発生してどういうところに使っているのかわかったと思います。

では、最後に企業が自由に使える現金であるフリーキャッシュフローを計算してみましょう。

(営業キャッシュフロー74,280千円)+(投資キャッシュフロー△143,955千円)=フリーキャッシュフロー△69,675千円

なんと衝撃の事実…!前回(企業の健全性)&前々回(業績)の記事ではこのギフティという企業はとてもキャッシュリッチで優秀な企業だということをさんざん伝えてきました。

なのにフリーキャッシュフローはマイナス7,000万円

先ほどお伝えした通り、フリーキャッシュフローがマイナスということは企業が自由に使えるお金がないということです。

では、前年はどうだったのかも計算してみましょう。

(営業キャッシュフロー386,914千円)+(投資キャッシュフロー△53,700千円)=フリーキャッシュフロー333,214千円

うーん、前年度は3億以上フリーキャッシュフローが生まれていたみたいですね。

そうすると、前年度に比べて増加したたな卸資産前渡金が営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローに影響を及ぼしていることが分かりますね。

事業の拡大が見込めるから営業キャッシュフローが悪くなっても、フリーキャッシュフローが赤字になっても大胆に取りに行っているのか…。

この企業に投資するのは、2020年度の決算を見てから判断しても遅くはないかもしれませんね。

まとめ

以上、決算短信を通してキャッシュフロー計算書を読んでいきました。

前回の企業の健全性のときにチェックした損益計算書では見えない数字が見えて新しい発見が出来ましたね!

これでざっくりと決算書を読むという感覚をつかんでもらえたのではないかなと思います。

では次回は決算書から少し離れてEPS, ROE, ROAについて書く予定なので、引き続き読んでいただけると嬉しいです!

本日もお読みいただきありがとうございます。

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